最近、オークションで珍しいエンジンが手に入るので、MKも入手したのですが…


「銀燕」と書かれた中国製の2台のエンジン…
排気口を覗いてみると、画像右の茶色のオーリングのついた方がレーシング(パイプ仕様)で、左がFF用?ノーマルって感じ!

このエンジン…存在は知っていましたが、飛行機に取り付けて空を飛んでいる姿は見たことも聞いたこともない(笑)…コレクターズアイテムってことなんでしょうか?

仲間内でこんなエンジンを「いじる」のが流行ってきたこともあり、MKも整備して空を飛ばそうと考えました。

仮称)銀燕
レーシングタイプ
仮称)銀燕
ノーマルタイプ

簡単に考えて始めたのですが、結構手ごわい(笑)
まずは、レーシングタイプの方から整備開始!

最初はオイルが固まっているからだと思っていましたが、洗浄しても??プロペラを締め付けると、動かないんです。
コンロッドも遊び無し!!変な音がして、シャフトのどこかが当たってるみたい?
こんなんでも、タイミングはパイプ用ですね。
シャフトの当たりを取らないと、始動できそうもありません。
そこで、旋盤で当たっているらしき部分を削って…ベアリングがきつかった部分も、シャフトを少し細く削って…
とりあえず動くようになったので、組み立てして…
プラスネジとマイナスネジが混在していたので、すべてキャップビスに変えて…
プレッシャーフィッティングも加工して取り付け。
一応、始動できそうな感じにまで出来ました。
とりあえず、パイプインするかの心配よりも、始動するか?ですね

そして次は、ノーマルタイプ!
分解を初めて、ドライブワッシャを抜くのに、1時間!がっちりオイルで貼りついてて・・・しかも、取り付け部分のテーパーが少ないのも原因だと思うけど・・・
エンジンに傷をつけないように分解するのって、意外と大変なんです。
そして、「やっぱり銀燕だな〜」ってところを発見!
排気管上のヘッドビスが穴が浅くて利いてない。しかも少しバカになっている!
こうなると、ヘッドの穴を深く加工して、タップを立てるしかないみたいだ。
結局、穴の深さとタップはすべてやり直しました。
ビスもキャップビスに変えて、意外とあっさり組立終了か…と思ったら、ピストンがクランク出来ないほどかたい!!
次は、ラッピングして少しゆるめにしないとダメのようだ。…このままだと、スターターも止まってしまいそう。

でもネ…「なぜか、欠陥が見つかると嬉しい」…変な気分だね。



2013年8月…「銀燕ノーマルタイプ」をいつもの飛行機に載せてエンジンのテストをしました。

めちゃくちゃ暑かったのですが、テスト開始…
プロペラはテスト用のマリオロッカ7×3カーボン!燃料は、K&B 80-20ストレート

ラッピングが効いたか…難なく始動。しかも高回転でいけそう…
20,000回転は楽に超えている。
3タンク目でピークを出してみたら22,800回転!!
しかも、安定して回ってるし…銀燕って結構回るじゃん!!
っと、思ったら…4タンク目から始動に手こずることに。
さっきまでは綺麗な排気だったのに、だんだん黒い排気になってきたし??
6タンク目ぐらいで不安定にストップするようになって…
この際ニトロ入れてしまえと思ってK&B1000で回したら、もっと不安定??しかも排気がますます黒くなって…

帰って、分解したら…コンロッドのビックエンドがデカ穴になっていました。
オイル切れしたようには思えない(オイル穴も空いてるし、色も普通だし)ので、コンロッド材質が柔らかいということでしょうか??


後日、試運転で壊れた部分の修理をしました。
当初は、BBSのアドバイスの通りにコンロッドのメタル挿入で終わるつもりだったんですが、飛行会でのTKZさんのOS-RX15エンジン改造の話(MDSのPCに入れ替えたらしい)を聞いて、PC入れ替えまで、やってしまいました。
そう、Rossiの鉄を入れました!!ハイブリッド…なまえは…「Silver Swallossi 」
銀燕のオリジナルはABCだったのですが、先日の試運転で圧縮が下がっていたのを、ちょっと気にしていたんです。
銀燕のスリーブの外形は17.96mm。ストックで持っていたRossiのスリーブは18mm

そこで、やといにスリーブを取り付けて、0.04mmだけ研磨!
コンロッドはCoxのビッグエンドを5mmまで広げて合わせました。
クランクした感じは上々!曲がったプラグもNelsonヘッドに替えたのでスッキリ!




2014年10月
今度は、飛ばすつもりで再挑戦しましたが、銀燕は飛べませんでした(笑)
テストで、真っ黒排気…
金属が溶け出している様な色です。帰って分解 そして原因追求…
今回のRossiのピストン、スリーブ、そしてNelsonヘッドは問題なし!
Cox製のコンロッドがまたしても問題ありでした。
楕円にビックエンドが広がってました。
前回は、中国製の材質に問題があると思ってCoxのコンロッドに変えたんですが…
クランクケースとフロントハウジングの角度かな?って思って測ってみても問題なし。
結局発見したのは…
ピストンの中心がクランクピンの中心とずれていたんです(笑)
前回、コンロッドが片減りしたのもこれが原因だったようです
数字的には、フロントハウジングを0.5mm前方に出して、リヤカバーを1mm深く作り直すのがベストみたいです。

バックプレートは、作り直すか、他のエンジンの部品を流用するか迷ったのですが、どちらも銀燕の外観を変えてしまうので、取りやめ!
元のバックプレートに0.8mmのアルミ板を接着して奥行を稼ぐことにしました。
プレッシャー部分を生かすための部品も作りました。

フロントは、ベアリングに当たる部分を少し削ってシャフトを前に出して終了
クランクピンは、よく見ると機械加工のままだったので、ピカピカに研磨…
ピンのエッジも丸くR加工しました

組立してクランクしてみると、前よりいい感じ(当然か)
コンロッドもストックのCox新品部品に取り替えました。



2014年11月
長いことかかりましたが、やっと飛行できました
最初のテストで黒い排気が出てましたが、テストのやりすぎで磨り減ってしまいそうなので、すぐに飛行しちゃいました(笑)
飛行後、バックプレートを外してみたら…
コンロッドは、大丈夫!

でも、バックプレートがビックエンドで擦られて、片ベリしてました。
今回の銀燕の中身は、Rossiのピストン、スリーブ(鉄)にCoxのコンロッドって組み合わせですから、とりあえずこの部品は信頼するとして、そのほか??って言うと…コンロッドとスリーブの角度まで疑ってみる必要がありますね。
とりあえず、22,000回転ほどでよく回って飛行していました。


片減は、バックプレート上面で起こっていることを考えると圧縮時にコンロッドを後にずらす力が生じている…
機械加工が直角でも、熱膨張によりシリンダーが前に傾いて圧縮時に余計な応力がかかっている可能性があるかも…

そこに、BBSで助言がありました。…心当たりがあります!
最初のシリンダーは、テーパーが強すぎてすぐにスカになったんです。そこで、PCをRossi、コンロッドをCoxにしたわけなんですが、その時にスモールエンドのクリアランスをあまりとっていませんでした。っていうか、遊びが多かったのでアルミのワッシャを数枚入れて調整してあります。
スモールエンドは、すこし前後するぐらいに遊びをとったほうが良いかもしれませんね。
そして、減らないように、バックプレートに鉄板を入れれば良いかな?
RossiVがそんなことしてましたよね!


2015年9月
銀燕はご機嫌でした
K&B 80-20ストレート燃料
7×3カーボンを22,300  6×5を23,000回してました

7×3の回転数からすると、スーパータイガーG15並みってところでしょうか?
しかも排気はクリヤー!

2015.年10月
とても安定した回転数と飛行ができました。エンジンは仕上がった感じです。

K&B 80-20ストレート燃料、 TMY木製6×5 23,000回転、 ネルソンプラグ
10周 26.23秒(137.25km/h) 

それにしても長いこと遊んだなー…「銀燕」
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